紅型
紅型研修は隈どりを終え、ロケット蒸し器で蒸しの作業、水元へ。
白地上がりは軽く修正を加えて完成ですが、染地型の作品は糊伏せ、地入れ、地染めとまだまだ工程があります。
今回色止めとして、蒸しの前にフィックス剤2種、ミョウバン水をそれぞれ刷毛塗をしました。
結果はものによってにじみが出てしまったものもあり、まだまだ実験の余地が必要だと感じました。
織物
織物研修では九寸帯が仕上がり、織り上がった布の処理や、経巻台を使わない地巻にチャレンジ。
経巻台がなくても一人で巻き取る練習になりました。
次の絣布の準備として、藍を建てる研修も行われ、毎日の攪拌作業がスタート。
今回はどれくらいで藍が建つでしょうか。
漆芸
漆芸研修では、乾漆技法(かんしつぎほう)の石膏の成型が終わり、剥離用の土をつけて、
その上から①布貼り→布目刷り(布目を埋める作業)→空研ぎ
②布貼り→布目刷り→空研ぎ、を4回繰り返し、強度を上げます。
木地を使った手板、箱物、お椀は地の粉付けが終わり、錆付け(さびつけ)に入ります。
錆付けで調整を終えると、次は捨て塗り(錆では見えなかった凹凸の修正作業のための塗り)の段階に入ります。
※乾漆技法とは
乾漆技法は、麻布と漆(麦漆(糊漆)、漆下地、漆塗)で成型されたものを指す。柔らかな局面の表現など成型の自由度が高いため、昔は仏像製作に多く用いられていた。有名なもので奈良時代に製作された興福寺の【阿修羅像】がある。また、沖縄では平和記念像が乾漆技法で製作されており、高さ約12メートル、幅8メートルと大型の乾漆像となっている。
※錆とは
地の粉より細かい粒の「砥の粉」を漆と混ぜたものを指す。
木工芸
木工芸では六角箱作りに入りました。
漆器の素地として、摺り漆などで仕上がる予定になります。
細かな組手(くみて)の加工は、精度が求められので、慎重に進めていきます。
講習会
センター職員による講座『工芸の価値について』、また彫金作家でもあり、普段から着物生活に親しんでいる若松ななせさんによる着物の講習会を開催しました。
職員による講座では普段考えることのない様々な視点からの工芸、デザインの権利などを学びました。
着物は現代ではなかなか着る機会のないものですが、衣食住の【衣】としての長い歴史をもっているものでもあります。
講習では必要な小道具から、琉装と和装着物の違いを学び、実際に羽織ってみたり生地を触ることで、重さや質感を体験できる場となりました。