紅型
紅型研修生はサンプルで決めた配色を、間違いのないよう慎重に色を挿していきます。
反物の総柄は色を挿す場所がたくさんあるので、混乱しやすいです。
完成までの工程を逆算して、成果展までに間に合うよう、頑張って下さい!
織物
織物研修生は機にたてたタテ糸が終わるまで、ひたすらに織り続けます。
絵羽模様にしている方は定期的に長さを測り、変化を付け、着物の形になったときにちゃんとデザインになるように気を付けて進めていきます。
また、糸によっては織り縮みがでるので、湯通しして糊が落ちた後に、短くなってしまうことを念頭に作業にあたります。
木工芸
木工研修では電動工具を使ってアリ組を作りました。
嵌め合いの細かな調整は、ノミなどの手工具を使って行っていきます。
仕上げの塗装も好みの塗料を使い、それぞれ個々の個性が出てきています。
漆芸
漆芸研修は乾漆の自由製作が進んでいます。
乾漆は麦漆などを麻布に接着剤としてつけたものを何層にも重ねていくものです。
研修生のなかには葉っぱなど、自然物を利用して製作をしている方もいます。
お椀、箱物は上塗りに入る人もおり、順調に進んでいる様子です。どの様に仕上がるのか楽しみです。
錫(すず)細工講習会
現在、沖縄県で唯一錫を扱っている職人である、金細工(カンゼーク)まつの上原俊展さんを講師に迎え、講習会を行いました。
かつて琉球王国時代に存在した錫細工は、戦争とともに姿を消してしまいました。
古い文献や現在ひっそりと残っている錫で作られたものを調査し、再び現代によみがえらせた上原さん。
復元されたビンシーや耳付き酒杯、骨董で集められた、ヤカンのような形の錫でできたお湯入れの魔法瓶である湯庫(タークー)や提重(さげじゅう)というピクニック用のお弁当箱セット。細かなところまで心配りがされている実用的な装飾に、テンションが上がります。
柔らかく、軽い錫は古代の首里城の瓦にも薄く伸ばしてが貼られていたという記録があったり、儀式の際は抗菌性のある盆や杯を使ったりと、色々と理にかなった使われ方をしてきたということも知ることが出来ました。
みなさんも興味深々で見聞きしており、“錫”という素材のことをもっと知りたいようでした。
途中、錫杯でお水の試飲や宮廷菓子(銘菓)であった冬瓜漬を味わってみたり。
使って感じてみる、ということも貴重な体験としてさせていただけました。