· 

シーサーが行く!工芸研修突撃レポート

明けましておめでとうございます。

まだまだ寒い季節ですが、寒さに負けないよう、張り切って研修の様子をお届けします。

 


織 物

 

織物研修では、共通課題である着尺の製作が進んでいます。

 

デザインの決定、必要な糸の本数計算、糸染め、機織り機にたて糸のセット等、多くの工程を経て、ようやく緯糸(よこいと)を経糸(たていと)にいれる「織り」に入ります。

織りの工程は「1日50cm」というような具体的な目標を設定し、作業を進めます。

着尺は仕上がるまでに約3か月かかります。



紅 型

 

紅型研修でも同じく、共通課題である着尺の製作が進んでいます 。

 

デザインを決める、型紙を彫る、白い布地にのり置きする、顔料で色を作る、2回目の色差しの後、模様に立体感をもたせる隈どり(くまどり)、蒸し、のりを落とす水元、のり伏せや地染め 等の多くの工程があります。

特に「色差し」は、作業箇所が多く、間違えても戻ることができないため、慎重に作業を進めます。

 

着尺は約13mもあるので、紅型研修では最も時間のかかる作品作りになります。


漆 芸

 

漆芸研修では、共通課題で加飾の技法を学んでいます。

加飾とは、木地に漆を塗り重ねて黒や朱色に仕上がった上に、模様を施す工程をいいます。

堆錦(ついきん)、沈金(ちんきん)、箔絵(はくえ)、漆絵(うるしえ)や密陀絵(みつだえ)といった技法があり、それぞれの基礎を習得します。

まずは、手板で練習。そして、本番ではお皿やお椀、箱物を使って作品を仕上げます。

 

漆は扱いがとても難しく、「縮み」や「研ぎ破り」といったトラブルを起こさないよう、慎重に作業を進めます。

 

 

 

 

「縮み」

漆を厚く塗りすぎると起こる現象。見た目がシワシワに。

 

 

 

 

「研ぎ破り」

漆は何層も塗り重ねるが、研ぐときの力加減で、

下にある漆の塗面が表面に出てくることがある。

 

こうしたトラブルを経験して、適切な塗りや研ぐ加減を身に付けていきます。


木工芸

 

木工芸研修では、共通課題である脚付きの高膳と自由課題に取り組んでいます。

 

脚付きの高膳は設計、木取り、ほぞ加工、組立て、仕上げなどの工程を進めています。

一人用の食事のシーンや晩酌のシーンなど、研修生それぞれのイメージで想定してデザインします。

個性が様々な高膳に仕上がるのか楽しみです。

 

 

 

 

 

 

これはコマ止めのコマじゃ。


工芸縫製

 

工房に入ると、和気あいあいとした声が聞こえてきました。

工芸縫製の研修では、前回の課題で製作したカバンの余った革から、新たにポーチを制作しています。

 

研修生に何やらアイデアが浮かんだようです。講師の指導にも熱が入ります。


金細工

 

金細工研修では、共通課題である箱物の制作と自由制作が行われています。

箱物は手のひらサイズの作品で、蓋にそれぞれ装飾をほどこすなど好きなデザインで制作をしています。

 

 

いろんな技法にチャレンジしておるぞ。

 

うちこみ、きりばめ、すかしぼり・・・

 

難しい技法もあるが、あえて難易度は明かさず、

「できる!」「やってみようか」と挑戦させているのじゃ。自分の「やってみたい」にチャレンジできるのも研修生の醍醐味のひとつじゃ。


 


今日はここまで。次回のブログでまたお会いしましょう。